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食品
業界共通のテーマは、ニーズの多様化と国際化にいかに取り組むかが鍵であるが、食品業界の収益性は好不況による波を比較的受けにくく、安定した産業といえる。だが、これは同時に市場の成熟化も意味し、限られたパイを狙った業界内の競争が近年、激化の一途をたどっている。現在のように、消費者のニーズが多様化を極め、食品にも嗜好性が求められる時代にあっては、いかに消費者の好みの変化を敏感に察知し、それに即応した商品を生み出せるかが各企業の成長性を決める最大要因といえるだろう。
たとえば、働く女性の増加とともに、弁当や惣菜など調理済み食品の売上げが増加。また、消費者の健康ブームを背景として、農薬や化学肥料を使用しない野菜・果物に人気が集まっているなど、最近のヒット商品には人々の嗜好の変化を的確に商機へと結びつけた、マーケティングの力によるところが大きい。
一方、1993年に決定した農産物の自由化を背景として、食品業界にも国際化の動きが進んでいる。海外から安価な農作物を仕入れると同時に、アジア諸国をはじめとする巨大なマーケットをいち早く取り込むことがその狙い。そのため食品メーカーでは、生産プラントの海外進出などを急いでいる。だが、これは国内の農産物生産者にとっては大きな脅威でもあり、食品業界における国際化は新たな問題の種にもなりつつある。