繊維素材
木材・紙・パルプ
ゴム・ガラス・セメント
鉄鋼
非鉄金属
アパレル・衣料品
化粧品・トイレタリー
印刷
医薬品・化学
工作機械
農業・建設・産業用機器
自動車・輸送用機器
精密機械
半導体
コンピュータ
事務用機器
家電
食品
スポーツ・楽器
映画・音楽
ゲーム

   
アパレル・衣料品
苦戦する「総合型」、躍進する「SPA」型。最終消費財としての衣料品を供給しているアパレル産業では、業界上位20社の98年度売上高前年比を見ると、20社のうち実に14社がマイナスを記録している一方、60%近い伸び率を示している企業もある。
その内訳を見ると、総合型の大手アパレルが軒並み苦戦しているのに対して、「SPA」型と称される企業の躍進が著しいという傾向がはっきりと見て取れる。SPAとは、元々アメリカのGAPが提唱しはじめたPB(プライベートブランド)100%の専門小売り業態のこと。小売店のPOSと工場の生産ラインをコンピュータで結び、売れ筋商品のフォローをきめ細かく行い、在庫管理の徹底した効率化を図ることで着実な収益をあげている。
また、消費者のライフスタイルや価値観の変化に対応して、いち早く「旬」な商品を提供できる体制も、好調な業績に拍車をかけている。総合大手アパレル企業が長引く消費低迷に加えて、ブランドを拡げすぎた結果、不採算ブランドや過剰在庫を抱え込んでしまったのとは、典型的な好対照を描いていると言えよう。
日本SPAの代表格であるユニクロの一人勝ち状態は、もはや社会現象にまでなっている。一方で、グッチ・プラダ・エルメス・シャネルなど、高級ブランド品へのこだわりは相変わらず根強く、すでに「ブームから定着」の時代になったと言えそうである。