農業
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農業
1999年からは、コメ輸入の関税化を受け入れた結果、1キロあたり350円を支払えば、誰でも自由に外国産米を輸入することができるようになったのだ。これによって日本の農業はどうなったかというと、実際はそれほど影響を受けていない。
というのは、関税率が高いことと、コメ余りの状況で輸入というアクションが顕在化していないからである。ただし、これには今のところ、という注釈がつく。今後さらに関税率が下げられると、現在の生産コストでは競争に勝てないのでは、と不安視されているのが実情だ。
今後予想される外圧への対応策として、政府は新農業基本法の制定を柱とする改革に乗り出している。この改革の柱は、農産物価格を市場原理にゆだねようとするもので、農業経営者にも企業経営的なマインドの醸成を求めていくことになる。これまで国に保護されてきた農家は、考え方を180度変えていかなければならないだろう。
日本の農業は輸入自由化という課題もあるが、構造自体にも大きな課題を抱えている。それは農家の高齢化が進み、農地の耕作放棄という事態を引き起こしているからである。政府は農地法を改正し、次世代の農業の担い手が農業放棄土地で農業活動ができるように誘導しているがまだ、はっきりとした成果はあがっていない。
いずれにしても、日本の農業は今が正念場であることは事実である。