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繊維素材

多角化の成否が、企業間格差に直結している繊維業界は、その全容を把握するのが極めて困難な業種といえる。その一因となっているのが「川上から川下まで」と称される生産・流通過程の複雑さである。ここでいう「川上」とは原料、糸、織・編物の生産・流通段階、「川中」は衣服の縫製やニットの編み立てなどの生産・流通過程、そして「川下」が小売り流通過程を指す。
この複雑な業界システムが、ニーズ変化に対応できない硬直性や「高コスト構造」を生み出す結果につながっていることは言うまでもない。とりわけ、消費の低迷や東南アジア諸国などとの価格競争は、業界の体質をモロに直撃。深刻な業績の落ち込みに拍車をかけた。
このような状況を乗り越えるべく、合繊メーカーは多角化と国際展開によって競争力を強めてきた。その代表格が合繊最大手の東レ。旧社名・東洋レーヨンが示すように、レーヨンの生産から事業をスタートさせたが、その後国内で初めてナイロン生産を開始したのに続いて、フィルムや炭素繊維など全く異なる部門でも世界トップクラスのシェアを獲得するなど、多角化・国際化の両面で大きな成功を成し遂げている。
このほか帝人は医薬、旭化成が住宅、クラレが機能性樹脂を収益の柱にするなど、化学やバイオの分野に高い技術力を有する企業は、今後の発展も非常に有望視できると思われる。