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出版
戦後初のマイナス成長。業界全体の真価が今問われている出版業界。97年の書籍・雑誌をあわせた出版市場(推定販売金額)は2兆6374億円で、対前年0.7%と戦後初めてのマイナス成長を記録。その背景には、消費税率の引き上げや金融システム不安などの経済的要因が考えられ、「出版は景気に影響されにくい」という業界の常識が覆される結果となった。また、それ以後も厳しい状況が続いている。もちろん、インターネットやDVDなどの新しいメディアが、出版メディアに取って変わったという側面もあるのだろうが、出版業界自体にも改善すべき点が散見されるのは否定しようのない事実であろう。
たとえば、全体の売上げは落ちているものの、出版点数は逆に増加している。この数字からは、返品率の上昇が考えられると同時に「ヘタな鉄砲も……」的な、世の中のニーズを掴み切れていない出版業界のスタンスも垣間みられるように感じられる。
さらに、ここ数年来、出版界にとって最大の関心事であった出版物の再販売価格維持制度(再販)についても98年3月、公正取引委は当面、再販制度を維持するという方針を出して業界も一様に歓迎の姿勢だが、公取委は「廃止の方向で検討すべき」との見解も示しており、今後、出版界側のさらなる企業努力を求める声は高まることが予想される。
電子メディアへの対応を含めて、出版業界はいま大きな岐路に立っていることは間違いない。