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海運
国際競争力の低下により、業界内の合併・再編が進む貿易立国の日本において、資源や工業製品の安定輸送をつかさどる海運業が日本経済に果たす役割は大きい。
しかし、円高、世界的な船舶過剰、台湾をはじめとするアジア諸国の台頭などによって、日本船の国際競争力は著しく低下。外航海運業は危機的状況にある。たとえば、行政措置により事実上、船員が日本人に限定されている日本船の船員費は、東南アジア船員の乗り込む外国船の6〜7倍といわれ、これがフラッキング・アウト(日本船から海外船への移籍によるビジネス機会の流出)問題を生んでいる。
こうした状況下、コスト競争力のアップと各社の業績回復を図るため、ここ数年、外航海運は業界再編・合理化・多角化の動きが相次いでいる。その最たる出来事が、1999年に実施された日本第2位の大阪商船三井船舶と第4位であるナビックスラインの合併。お互いの不得意分野の解消と、余剰船舶や人員の削減がその狙いである。これによって日本の外航海運業界は、日本郵船と川崎汽船を含めた3社体制となった。
また、リストラの動きが加速される一方で、建設関連・不動産・レジャー関連など、多角化による事業の建て直しにも各社懸命に取り組んでいるが、まだまだ不透明な面が多いのが偽らざる現状。依然、厳しい状況にあるといえそうだ。