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陸運
日本経済を支える陸運業。宅配便の登場により新たな市場開拓もみられるようになってきた。
陸運は大きく鉄道輸送とトラック輸送に分けられるが、今日ではトラックが国内貨物輸送量の9割、トンキロ数(輸送量×距離)の5割を占める。日常生活にこれほど重要な役割を占めるトラック業界も、全国に約4万5000社あるといわれる事業者のほとんどが中小企業。トラック保有台数でみると、全体の7割近くが20台以下の事業者である。同時にトラック業界は人手に頼った労働集約型産業であり、業界就業者数は約200万人にも及ぶなど、典型的な成熟産業のひとつといえる。しかし、宅配便など新たな市場を創造するとともに、規制緩和も進んでおり、今後とも拡大の望める産業である。
「物流革命の旗手」と呼ばれるヤマト運輸は、それまで効率の悪さから業界内で敬遠されがちだった消費者小口貨物の輸送に的をしぼり、電話1本での集荷、わかりやすい運賃体系、翌日配達という高度なサービスを提供して、新たな市場を開拓。ここに日本通運や佐川急便などの主要大手も続き、さまざまな新サービス開発合戦を繰り広げている。
その反面、慢性的な交通渋滞や排気ガスの問題、モーダルシフト(トラック輸送から鉄道・海運への転換)など、陸運業界の抱える問題が多いことも事実である。
今後は、これらの社会的な問題をクリアしながら付加価値の高い事業を展開することが、各社共通の課題といえよう。