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32年ぶりに新規参入組が登場し、大競争時代の幕が開けた。
従来、航空業界は運輸省の指導のもと、分業を厳格に守ってきた。すなわち日本航空が国際線と国内幹線、全日空が国内幹線、日本エアシステムがローカル線というすみ分けである。しかし80年代以降、国際的な規制緩和の波のなか、自由化の動きが急速に進展。1987年には日航の完全民営化が断行され、同時期に全日空と日本エアシステムが国際線に参入するなど、企業間の競争が促進されていった。
これに拍車をかけたのが、航空法の改正によって、それまで独占状態にあった航空業界に新規参入する企業が現れたこと。格安航空チケット業界の大手エイチ・アイ・エスが中心となって設立した「スカイマークエアライン」は、徹底したコスト管理によって「運賃半額」という驚異的なサービスを実施。北海道で誕生したエア・ドゥもこれに続いた。
これに対抗するように、大手3社はコードシェア(共同運行)提携や情報システムの共有化などによって、大幅なコスト削減に着手。新規参入組を交えた、熾烈な価格競争が繰り広げられる時代に突入した。
そのあおりを受けて、航空業界で進められているのが経営の効率化、つまりリストラである。特に人事面では全日空が2000年度のフライトアテンダントの採用を見送るなど、大規模な改革が進行中。これまでは花形といわれてきた職業にも、淘汰の波が確実に訪れている。