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石油
輸出入の完全自由化を受け、業界再編の時代へきている石油業界は、主に石油の採鉱・開発・生産を専門に行う企業と、原油の輸送・精製・石油製品の販売を専門とする企業に大別されるが、原油の99.7%を輸入に依存している日本の石油会社はほとんどが後者に属する。
日本の石油業界をさらに細分化すると、原油の精製だけを行う精製専業会社、石油製品の販売を専門に行う販売専業元売り会社、その両方の機能をもつ精製元売り会社から成る。重要なエネルギー供給源でありながら、その大半を輸入に頼っているため、政府は国策として精製設備建設の許認可制、輸入・生産計画の届け出義務制などによって、徹底した保護下に置いてきた。
こうした環境のもと、元売りからガソリンスタンドまでの系列構造をとっていたのが、日本の石油業界の特徴であった。
しかし海外からの規制緩和を求める声の高まりを受けて、1996年「特石法」(特定石油製品輸入暫定措置法)の撤廃を決定。これによって、ガソリンスタンドの出店自由化、セルフ給油所の解禁など、業界は一気に自由競争の時代を迎えることになる。
その最も象徴的な例が、99年に実施された業界第2位の日本石油と第6位の三菱石油による、系列を超えた合併であろう。他の業界と同様に石油業界の「ビッグバン」も、いま始まったばかりである。